臨床実習の中で、
「一人で頑張らなければいけない」
そう感じたことはありませんか。
私自身、実習中は、
ほぼ毎日のように、
一人で抱え込んでいました。
日々のレポートに追われ、
気づけば余裕はなく、
目の前のことをこなすことで精一杯。
同級生もそれぞれの実習で忙しく、
「みんな大変だから、頼るのもなぁ…」
そんなふうに思っていました。
今振り返ると、
私は「同級生にしか頼らない」と、
無意識に選択肢を狭めていたのかもしれません。
そして当時の私は、
こう思っていました。
「これは必要なプロセスだ」
「これを乗り越えないと、理学療法士になれない」
「自分で何とかしないといけない」
一人で頑張ることが、
理学療法士になるために必要なこと。
それが、
「自律」だと思っていました。
また、
頑張って調べて、レポートを書き、
バイザーの先生から認めてもらうこと。
周りから評価されること。
それもまた、
「自律」だと思っていた気がします。
しかしその状態は、
今振り返ると、
「自律」ではなく、
「孤立」に近い状態だったのだと思います。
実習が始まったばかりの頃、
「まだあと7週間もある…」
そう思ったときの感覚。
レポート発表前の、
不安、緊張、焦り。
身体的な疲れもピークで、
感情的にも余裕がない状態でした。
そんな中で迎えた、
実習の合間の学校での振り返りの時間。
そして、
同級生との食事の時間。
そこで私は、
少しずつ変わっていきました。
「一人で全部やらなくてもいいんだ」
「人に話すと、楽になるんだ」
「みんな、それぞれ不安を抱えているんだ」
そう気づいたとき、
心が少し軽くなったのを覚えています。
さらに、
一人暮らしで生活も大変だったため、
親に来てもらい、サポートを受けました。
その経験から、
私はこう感じました。
人に頼ることは、
弱さではない。
むしろ、
自分の状態に気づき、
適切に支えを得ることは、
とても大切な力だということ。
もし今振り返るなら、
もっとできたこともあります。
数分でもいいので、
同級生と電話で話す。
昔からの友人と、
他愛もない話をする。
親にもっと頼る。
趣味や運動などで、
少し息抜きをする。
そうしたことが、
「一人で抱え込まない」ための
大切な行動だったのだと思います。
では、
「自律」とは何でしょうか。
一般的に「自律」とは、
自分で考え、行動すること
と捉えられることが多いと思います。
私も当時は、
「一人で頑張ること」が
自律だと思っていました。
しかし今は、
少し違う捉え方をしています。
自律とは、
一人で頑張ることではなく、
必要なときに人に頼れる力である。
そして、
そのために必要なのが「対話」である。
一人で頑張ることではなく、
支えられながら、
自分の意思で進んでいくこと。
それが、
本当の意味での自律だと、
今は感じています。
もし今、
一人で頑張り続けているのであれば、
少しだけ立ち止まってみてください。
そして、
誰かに話してみてください。
あなたの周りには、
きっと、
話を聴いてくれる人がいます。
「自律」とは何かを、
あらためて考える一つの材料になれば幸いです。
次回は、シリーズ最終回で、
これまでの内容を踏まえて、
専門職として成長していくために
大切なことについて、
まとめていきたいと思います。
本シリーズの内容は、
理学療法士養成校でのキャリア教育や、
臨床実習における学生支援、実習指導者研修などでもお伝えしています。
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