臨床実習の中で、
気づけば周りと比べてしまっている。
そんな経験はありませんか。
私自身、実習中に、何度もそう感じていました。
同級生から、
「レポートを書くのに徹夜をした」
「バイザーから褒めてもらった」
「実習先で勉強会に出た」
「厳しいけど、成長できるバイザーに出会えた」
「治療法を教えてもらっている」
そんな話を聞くたびに、
自分も学んでいることはあるはずなのに、
焦りを感じていました。
前に進んでいるように見える人を見ると、
「自分は大丈夫かな」
そんな不安が、自然と湧いてきました。
そのときの私は、
「自分は、まだ頑張りが足りないのではないか」
「もっと勉強しないといけないのではないか」
「自分には理学療法士としてのセンスがあるのだろうか」
と、
自分が不十分であることばかりに意識が向いていました。
そして、
自分の努力よりも、
他の人の努力ばかりが気になっていました。
一方で、周りの友人には、
「自分もできている」
「不安はあまりない」
そのように振る舞っていました。
本当の気持ちを出すことができず、
どこかで強がっていた記憶があります。
今振り返ると、
私は
「できていない部分」ばかりに目を向けて、
「できていること」や「積み重ねていること」
に目を向けていませんでした。
だからこそ、
周りと比較しては、
自分を下げてしまっていたのだと思います。
そしてもう一つ、
大きなことに気づきました。
それは、
「自分だけがそう感じている」
と思っていたことです。
実習が終わった後や、卒業してから、
当時の話をしてみると、
同じような不安や焦りを感じていた人が、
実はとても多かったのです。
臨床実習の中で感じる不安や迷いは、
決して特別なものではありません。
多くの人が通る、
一つのプロセスでもあります。
あのとき、
もっと自分の気持ちを出してもよかったのかもしれません。
不安な気持ちを言葉にして、
誰かと対話してもよかったのかもしれません。
そして今の私なら、
あのときの自分にこう伝えたいと思います。
「大丈夫。みんなそうだよ。」
「あなただけじゃないよ。」
「この仕事は、正解が一つではないからこそ悩むんだよ。」
そして、
「一人で抱えなくていい」
信頼できる人と、
自分の正直な気持ちを話してみてください。
それだけで、少し楽になることがあります。
あの経験があるからこそ、
今、私は
対話を通して人の成長を支える仕事をしています。
次回は、
なぜ臨床実習の中で、
こうした感覚が生まれやすいのか。
その背景を、少し違う視点から整理していきます。
この内容が、
臨床実習の中での一つの視点として、
何かのヒントになれば幸いです。
前回の記事は、こちら
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理学療法士養成校でのキャリア教育や、
臨床実習における学生支援、実習指導者研修などでもお伝えしています。
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