私は、ハナミズキが咲き始めるこの季節になると、いつも思い出すエピソードがある。
それは、もう、10年ぐらい前に、とある人の自宅に伺っていて、
「山田さん、ちょっと、こっち(2階へ上がる階段を指差して)に来てよ。」
と声をかけていただく。
階段を上がり、2階に行き、その方は、次に窓を指差して、
「ハナミズキを見てごらん。」
と続ける。
そうすると、道沿いに満開に咲いたハナミズキが見えた。
あまりの綺麗さに、
「うわぁ〜、凄い綺麗ですね!」
と、私が声を上げると、その方が、
「ハナミズキは、上に向いて花びらが開くから、こうやって、上から見た方が綺麗なんだよ。」
と教えてくれた。
その後、帰り道に、同じハナミズキを今度は歩きながら下から見ると、確かに綺麗は綺麗だけど、上から見るのと比べると、幾分感じが違う。
コーチングスキルの一つに、リフレーミングという、物事の解釈を変えるスキルがある。
いわゆる、コップに半分の水が入っていたら、それを、
「半分しか、水が入っていない。」
と思うのか、
「半分も、水が入っている。」
と、捉えるのか、水がコップに半分入っているという変わらない事実に、どんな解釈をするかは、自分次第。
仕事場面でも、さまざまな事実が起きる。
その事実に、どんな解釈を加えて、どんな行動を起こすかも、自分次第。
私に、ハナミズキの見方を教えてくれた方は、きっと、そのようなことを教えてくれたのかな。
仕事において、スタッフが相談をしてきた時に、スタッフの可能性を広げる意味でも、今回のエピソードが何かのお役に立てると嬉しいです。