リハ職のマネジメントは「自分らしい強み」から|クリフトンストレングスとオーセンティックリーダーシップ

リハ職のマネジメントに自分らしい強みを活かす|クリフトンストレングスとオーセンティックリーダーシップ

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士などのリハ職の皆さんの中には、主任やリーダー、管理職として、スタッフの育成やチームのマネジメントに携わっている方も多いのではないでしょうか。

そんな中で、

「リーダーとして、もっとしっかりしなければ」

「スタッフをうまくまとめられるようになりたい」

「自分には、リーダーとして足りないところが多いなぁ」

そんなふうに感じたことはありませんか?

もちろん、リーダーとして必要な知識やスキルを身につけることは大切です。

一方で、私は、自分がすでに持っている強みに目を向けることも大切だと感じています。

今回は、クリフトンストレングスとオーセンティックリーダーシップの考え方を通して、リハ職の自分らしいマネジメントについて考えてみたいと思います。

リハ職のリーダーだからといって、何でもできる必要はない

リハビリテーション部門の主任やリーダー、管理職になると、求められる役割が増えていきます。

スタッフの育成、業務の調整、他職種との連携、目標管理、問題への対応など。

日々、さまざまなことに向き合っていると思います。

その中で、ついつい自分のできていないことや、苦手なことに目が向いてしまうこともあるのではないでしょうか。

「あのリーダーのように、うまくスタッフをまとめられたら」

「あの管理職のように、的確な指示が出せたら」

そんなふうに、ほかの人と比較してしまうこともあるかもしれません。

でも、私は思うのです。

リーダーだからといって、何でもできる必要はないのではないか。

もちろん、役割として身につけるべきことはあります。

ただ、ほかの誰かと同じリーダーを目指す必要はないと思っています。

一人ひとりに違った良さがあるように、リーダーシップの発揮の仕方にも、それぞれの良さがあるはずです。

クリフトンストレングスで、自分の強みを知る

クリフトンストレングスは、Gallup社が提供する、自分の才能を理解するためのアセスメントです。

人が自然に繰り返す思考・感情・行動のパターンを、34の資質として整理しています。

例えば、私の上位5つの資質は、

「最上志向」「共感性」「戦略性」「ポジティブ」「個別化」

です。

この結果を知ったとき、これまで自分が大切にしてきたことや、自然と行ってきたことが、少しずつ言語化されたように感じました。

特に、「共感性」「ポジティブ」「個別化」は、人間関係構築力の領域に含まれる資質です。

振り返ってみると、理学療法士として対象者と関わるときも、スタッフと一緒に仕事をするときも、人との関係性や、一人ひとりの違いを大切にしてきたように思います。

もちろん、上位資質がそのまま強みになるわけではありません。

自分の資質に気づき、向き合い、意識的に磨いていくことで、強みとして発揮しやすくなります。

そして、これはマネジメントにおいても同じだと思っています。

自分の資質を理解することは、自分がどのようなリーダーシップを発揮しやすいのかを考えるきっかけにもなるのではないでしょうか。

クリフトンストレングスの基本については、これまでのコラムでもご紹介しています。

関連記事

第1弾:リハ職こそ、自分の「強み」を知ってほしい|クリフトンストレングスで考えるPT・OT・STの可能性

第2弾:クリフトンストレングスの34の資質とは?|リハ職が知っておきたい「強み」の考え方

オーセンティックリーダーシップとは? 自分らしさを活かすリーダーシップ

ここで、もう一つご紹介したいのが、オーセンティックリーダーシップという考え方です。

オーセンティック(Authentic)には、「本物の」「真正な」といった意味があります。

オーセンティックリーダーシップとは、自分自身の価値観や考え方を理解し、それらを土台にしながら、誠実にリーダーシップを発揮していく考え方です。

ここで大切なのは、単に「自分の好きなように振る舞う」ということではない点です。

自分自身を理解すること。

自分が大切にしている価値観に沿って行動すること。

そして、周囲の意見にも耳を傾け、相手との信頼関係を築いていくこと。

こうした姿勢が大切にされています。

私は、この考え方と、クリフトンストレングスには共通する部分があると感じています。

それは、まず、自分自身を理解することから始まるという点です。

もちろん、クリフトンストレングスとオーセンティックリーダーシップは、それぞれ異なる考え方です。

それでも、自分の資質や価値観を理解することで、誰かの真似ではない、自分らしいリーダーシップを考えやすくなるのではないでしょうか。

クリフトンストレングスを活かしたリハ職のマネジメントとは?

例えば、リハビリテーション部門のリーダーとして、スタッフの育成に関わる場面を考えてみましょう。

「共感性」の資質が上位にある人は、スタッフの気持ちの変化を察しながら関わることが得意かもしれません。

「個別化」の資質が上位にある人は、一人ひとりの特徴に合わせて、関わり方を工夫できるかもしれません。

「戦略性」の資質が上位にある人は、目標に向かうための複数の道筋を考えることが得意かもしれません。

「責任感」の資質が上位にある人は、約束や役割を大切にしながら、チームを支えることができるかもしれません。

もちろん、これらは資質の特徴をイメージするための一例です。

同じ資質でも、ほかの資質との組み合わせや、その人の経験によって表れ方は異なります。

そして、どの資質がリーダーに向いている、向いていないということでもありません。

大切なのは、自分が持っている資質を、どのようにマネジメントに活かしていくかということだと思います。

苦手なことを改善する視点も必要ですが、自分の強みを磨き、活かす視点も持っていたいですね。

自分の強みを知ると、スタッフの強みにも目が向く

そして、今回、特にお伝えしたいのが、

それは、自分の強みを知ることが、スタッフの強みに目を向けるきっかけにもなるということです。

自分にとって自然にできることが、ほかの人にとっても当たり前とは限りません。

反対に、自分が苦手だと感じていることを、自然にできるスタッフもいるかもしれません。

例えば、対象者との関係づくりが得意なスタッフ。

業務の段取りや調整が得意なスタッフ。

新しいアイデアを考えることが得意なスタッフ。

チームの中で、周囲を前向きな気持ちにしてくれるスタッフ。

それぞれに、違った良さがあります。

ただ、日々の業務に追われていると、どうしてもスタッフのできていないことや、改善してほしいことに目が向いてしまうこともあると思います。

もちろん、課題を伝えることも大切です。

でも、それと同じくらい、スタッフがすでに持っている良さや、自然と発揮している力にも目を向けていきたいですね。

私は、理学療法士として臨床やマネジメントに関わってきた経験、そしてコーチとして対話を重ねてきた経験から、相手の可能性に目を向けることの大切さを感じています。

自分自身の強みを理解することが、ほかの人との違いを認めることにつながる。

そして、その違いを「足りないところ」ではなく、「お互いの良さ」として捉えられるようになる。

そんな視点が、チームの関係性をより良くしていくのではないでしょうか。

スタッフの強みを活かすチームづくりへ

リハビリテーションの現場では、さまざまな専門性や経験を持つスタッフが一緒に働いています。

当然、一人ひとりの得意なことも違います。

だからこそ、リーダーが一人で何でも抱え込むのではなく、それぞれの強みを活かし合えるチームをつくっていくことが大切だと思っています。

例えば、

「このスタッフは、どんな場面で力を発揮しているだろう?」

「このスタッフの良さを、もっと活かせる場面はないだろうか?」

「自分にはない、どんな強みを持っているだろう?」

そんな問いを持ちながら、スタッフと関わってみる。

そして、気づいた良さを、言葉にして伝えていく。

私が大切にしている「聴く・認める・伝える」というコミュニケーションも、こうした関わりにつながっていると感じています。

また、スタッフ自身がどのような仕事にやりがいを感じているのか、どんなことに挑戦してみたいのか。

そうした思いを対話を通して知ることも、大切にしたいですね。

リーダーが一方的に「あなたの強みはこれだ」と決めるのではなく、スタッフ自身が自分の良さや可能性に気づけるように関わる。

それも、強みを活かすマネジメントの一つの形ではないでしょうか。

スタッフ一人ひとりが、自分の強みを認められる。

そして、お互いの強みを認め合い、活かし合える。

そんなチームが増えていくと、リハビリテーションの現場は、もっと良くなっていくのではないでしょうか。

自分らしい強みから、リーダーシップを考えてみませんか?

今回は、クリフトンストレングスとオーセンティックリーダーシップの視点から、リハ職のマネジメントについて考えてみました。

リーダーだからといって、何でもできる必要はありません。

自分の強みを知り、向き合い、磨いていくこと。

そして、スタッフ一人ひとりの強みにも目を向けること。

その積み重ねが、自分らしいリーダーシップや、より良いチームづくりにつながっていくのだと思います。

まずは、自分自身に問いかけてみてはいかがでしょうか。

「自分は、どんな強みを活かしてリーダーシップを発揮したいだろう?」

そして、もう一つ。

「一緒に働くスタッフには、どんな強みがあるだろう?」

自分の強みを知ることから、周囲の人の可能性にも目を向ける。

そんな前向きなマネジメントが、リハ職の現場に広がっていくと嬉しいです。


リハ職の強みを活かしたマネジメント・人材育成をお考えの方へ

Be a Smileでは、理学療法士としての臨床・管理職経験に加え、ICF認定PCC、Gallup認定ストレングスコーチとしての専門性を活かし、コミュニケーション、リーダーシップ、チームビルディングなどの研修やコーチングを行っています。

自分自身の強みを理解し、スタッフ一人ひとりの可能性を活かす組織づくりについても、対話を通してサポートしています。

研修やコーチングにご関心のある方は、お気軽にご相談ください。

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山田真伸

執筆者:山田 真伸

Be a Smile代表/一般社団法人 Life is 理事

研修講師・理学療法士・プロコーチ

医療・介護・リハビリテーション分野で、人材育成と組織づくりを支援。
臨床20年以上(12,000人以上)、年間80件以上の研修・講義を実施。専門誌への寄稿・執筆も行う。

理念は、成長と幸せの輪を対話で広げること。

【保有資格等】
・国際コーチング連盟プロフェッショナル認定コーチ
・Gallup認定ストレングスコーチ
・理学療法士

  • 医療・介護事業所向け研修
  • リハビリテーション養成校向け講義
  • リハ専門職向けコーチング(理学療法士・作業療法士・言語聴覚士)
  • リーダー・管理職向け対話支援/1on1支援
  • 専門誌への寄稿・執筆(多職種連携・人材育成・コーチング・レジリエンスなど)

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