リーダーとして多くのスタッフをまとめる立場になると、どうしても「人をどう理解するか」に意識が向きがちです。
けれども、その前にまず大切にしたいのが――「自分をどう理解しているか」という視点。これが、リーダーに欠かせない「自己認識」です。
自己認識があるかないかで、関わり方は変わる
自己認識が十分でないと、気づかないうちに自分の考えを押し付けたり、相手の立場や背景を見落としてしまうことがあります。
一方で、自己認識があるリーダーは、自分の強みや弱み、得意・不得意を理解しています。そのため、他者に対しても自然と寛容で、俯瞰的にチームを見られるようになります。
まさに、「自分の気持ちがわからなければ、相手の気持ちもわからない」ということです。
感情を知ることが、信頼につながる
人は最終的に「感情」で動く生き物です。だからこそ、理屈だけでなく、直感や感情の機微を感じ取ることが大切です。
その直感を正しく働かせるためには、自分の感情を丁寧に観察し、「いま自分は何を感じているのか?」を言葉にできるようにしておくことが必要です。
自己認識を深めるためにできること
自己認識は、一人で完結するものではありません。自分の内側を見つめる内省の時間を定期的に持つことに加えて、周囲からのフィードバックを素直に受け取ることも大きな鍵です。
「最近、どう見えている?」「自分の関わり方、どう感じる?」といった問いを投げかけてみるだけでも、視野が広がり、気づきが深まります。
論理的背景:ポジティブに自己認識を育むための示唆
- 自己認識は“測れる・育てられる”スキル:リーダー文脈での自己認識を測定する試みを通じて、自己認識の高さが成果と結びつく可能性が示唆されています。
参考:Self-Awareness and the Evolution of Leaders: The Need for a Better Measure of Self-Awareness - 実践モデル「推論のはしご(Ladder of Inference)」:私たちが無意識のうちに「見た事実→解釈→結論→行動」へ進むプロセスを可視化。意識的に段を下りながら確認することで思い込みを減らし、柔軟で共感的な判断を促します。
参考:Building Self-Awareness to Be a Better Human-Centered Leader
こうした研究やモデルを背景にすると、自己認識はリーダーの“優れた直感”や“判断力”を支える土台であり、抽象的な美談ではなく、成果と信頼の源泉になり得ることがわかります。
リーダーである前に、一人の人として、自分を理解し続けること。
それが、チームに安心感と信頼をもたらす大切な一歩になるのだと思います。
皆さんは、ご自身の“自己認識”をどんな方法で深めていますか?
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