医療介護従事者が明日から実践できる!多職種連携を円滑にする5つのコミュニケーションスキル

【本記事の要約】

多職種連携を成功させるカギは、コミュニケーションの量にあります。心理学的知見やエビデンスによれば、日々の「まめな報告」や「接触頻度の増加」が信頼関係を深め、連携の質を向上させることが分かっています。本記事では、介護現場ですぐに実践できる5つのスキルを紹介します。挨拶に名前を添える、気づいた方から先手で声をかけるなど、シンプルで効果的な方法を具体的に解説。「これなら明日から使えそう!」と感じられる内容が満載です。ぜひ、このスキルを活かして現場のコミュニケーションを改善し、多職種間の連携をスムーズにしてみてください!

はじめに:なぜ多職種連携にはコミュニケーションが欠かせないのか?

介護現場では、ケアスタッフ、看護師、リハビリ職、医師、栄養士、さらには利用者の家族まで、多くの職種が一つのチームとして利用者を支えています。しかし、情報共有が不足することで連携がスムーズにいかず、ストレスやミスが生じることも少なくありません。

エビデンスが示す「連携不足のリスク」

日本医療機能評価機構の報告によると、医療事故の約6割がコミュニケーションエラーに起因しています。また、介護現場でも、情報共有不足がケアの質を低下させる要因となることが指摘されています。このような状況を改善するには、報告や連絡、相談を「まめに行う」ことが非常に重要です。

心理学的視点:接触頻度が信頼を生む

心理学者ロバート・ザイアンスが提唱した「単純接触効果(Mere Exposure Effect)」では、接触回数が増えるほど、人は相手に親近感や信頼を抱きやすいとされています。介護現場での日常的なコミュニケーションは、まさにこの効果を活用する絶好の機会といえます。


スキル1:進捗報告をこまめに行う

進捗報告は、多職種間での正確な情報共有を実現するための基本です。

チェック項目:あなたはこれをできている?

  • 利用者の小さな変化をチームで共有していますか?
  • 報告内容が具体的で分かりやすいですか?
  • 報告を伝えるタイミングが適切ですか?(遅すぎたり、忘れたりしていませんか?)

実践ポイント

  1. 小さな変化でも報告する:「○○さん、今日は普段よりよく笑っていました」。
  2. 必要な情報を簡潔に伝える:「午前中に発熱がありましたが、現在は平熱に戻りました」。
  3. メモやチャットツールを活用し、迅速に共有する。

スキル2:挨拶や名前を呼ぶことで距離を縮める

日常的な挨拶や名前を呼ぶことは、信頼関係の構築に大きな効果をもたらします。

名前を呼ぶことの心理学的効果

心理学者デール・カーネギーによれば、「名前を呼ばれることは、相手にとって最高の音楽である」と言われます。名前を呼ぶことで、相手は「自分が重要視されている」と感じ、安心感を抱くのです。

チェック項目:あなたはこれをできている?

  • 同僚や他職種の名前を積極的に呼んでいますか?
  • 名前を呼ぶことで、相手が笑顔になったと感じた経験がありますか?
  • 挨拶を省略せず、気持ちを込めて行っていますか?

実践ポイント

  1. 挨拶時に名前を添える:「おはようございます、○○さん!」。
  2. 雑談や報告の中でも意識して名前を使う:「○○さん、この点どう思いますか?」。
  3. 利用者にも名前で親しみを込めて呼びかける。

スキル3:気づいた人から声をかける「コミュニケーション先手の法則」

多職種連携をスムーズにするためには、どちらが先に話すかを気にせず、気づいた人が先手で声をかけることがポイントです。

チェック項目:あなたはこれをできている?

  • 自分から積極的に挨拶や報告を始めていますか?
  • 気になる点を「誰かが話すだろう」と後回しにしていませんか?
  • 小さな疑問でも「ちょっと確認させてください」と声をかけていますか?

実践ポイント

  1. 自分が気づいたことをその場で共有する姿勢を持つ。
  2. 忙しそうな相手にも「一言だけ良いですか?」とタイミングを工夫する。
  3. 自分が「話しづらい」と感じても、先手で声をかける習慣をつける。

スキル4:感謝の言葉を欠かさない

感謝を伝えることで、チーム全体の雰囲気が良くなり、協力しやすい環境が生まれます。

チェック項目:あなたはこれをできている?

  • 小さなサポートにも感謝の言葉を伝えていますか?
  • 感謝の言葉が具体的で、「何に対して感謝しているか」を明確に伝えていますか?
  • フィードバックを行う際に、感謝をセットで伝えていますか?

実践ポイント

  1. 具体的に感謝を述べる:「記録の補足をしてくれて助かりました!」。
  2. 直接伝えられない場合はメモやメールを活用する。
  3. 改善提案を伝える際も「ここは助かりました」とポジティブな要素を添える。

スキル5:定期的なコミュニケーションの場を作る

チーム全体で情報を共有し、課題を話し合う場を定期的に設けることが重要です。

チェック項目:あなたはこれをできている?

  • チーム内で定期的なミーティングやカンファレンスを行っていますか?
  • ミーティングで「今日の進捗」「課題」「次のアクション」を明確に共有していますか?
  • ミーティング以外でも、非公式な雑談の場を意識的に作っていますか?

実践ポイント

  1. 週に1回でも短時間で共有できる場を設ける。
  2. 場を仕切るリーダーがいなくても、必要なら自分が率先して進行する。
  3. 日常的な雑談も、コミュニケーションの一環として積極的に取り入れる。

人間関係がすべての土台

多職種連携を成功させるには、報告や連絡、相談など、日常のコミュニケーションの量を増やすことが大切です。心理学的エビデンスも示すように、接触頻度が増えることで信頼関係が深まり、チーム全体のパフォーマンスが向上します。そして、気づいた人が先手を取ってコミュニケーションを行うことで、より良い連携が実現します。


まとめ:明日から始めよう

多職種連携におけるコミュニケーションは、質よりも量が重要です。今回ご紹介した5つのスキルをもとに、ぜひ明日からの現場で一つでも実践してみてください。たとえば、「挨拶に名前を添える」「気づいた方が先手で声をかける」など、小さな行動が大きな変化を生むはずです。

Be a Smileの研修の特徴

医療介護現場では、スタッフ間や利用者とのコミュニケーションが円滑であることが、現場の質を高める重要なカギとなります。
「Be a Smile」では、豊富な実績と専門知識をもとに、スタッフ同士の連携を深め、利用者の満足度を向上させるコミュニケーション研修を提供しています。

こんな悩みはありませんか?

  • スタッフ間の意思疎通がうまくいかない
  • 利用者との信頼関係が築けず、ケアの質に影響が出ている
  • チームワークを強化したいが、どうアプローチすべきかわからない

これらの課題を解決するために、「Be a Smile」の研修が役立ちます。


研修の特徴

  1. 実践的なスキル習得
     講義だけでなく、ワークショップ形式で体験しながら学べる内容です。スタッフが日々の現場で即活用できる具体的なスキルを提供します。
  2. カスタマイズ可能なプログラム
     施設の課題やスタッフの特性に合わせて研修内容を調整。貴施設のニーズに応じたオーダーメイドの研修をご提案します。
  3. 専門的なコーチングアプローチ
     ICF認定プロフェッショナルコーチが、最新のコーチングスキルを活用し、個々のスタッフの成長をサポートします。

研修内容の一例

チームワークを強化する方法
スタッフ同士の信頼関係を築くコミュニケーション法を具体的に学びます。

コミュニケーションの基本原則
自分も相手も大切にするコミュニケーションのポイントを学びます。

アクティブリスニング(積極的傾聴)の練習
相手の話を深く理解し、的確に応答するスキルを習得します。

お問合せ先

「コミュニケーションスキル研修で、現場の質を高めませんか?」
研修の詳細やお見積もりは、以下のフォームよりお気軽にお問い合わせください。
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「Be a Smile」は、スタッフと利用者の幸せを繋ぐコミュニケーションの輪を広げます。

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山田真伸

執筆者:山田 真伸

Be a Smile代表

研修講師
理学療法士
国際コーチング連盟プロフェッショナル認定コーチ
一般社団法人コーチングプラットフォーム認定コーチ
Gallup認定ストレングスコーチ

20年で12,000人のリハビリを担当する現役の理学療法士でありながら、病院・介護施設向けの企業研修110件以上、850時間以上の個別セッションの経験を持つコーチ。

  • 病院(リハ科)、介護(訪問看護、訪問リハ、通所リハ)事業所向け
    カスタムメイド式の企業研修
  • リハビリテーション専門職(理学療法士・作業療法士・言語聴覚士)
    リーダー向けコーチングセッション

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