「自分との対話、足りていますか?」—医療介護従事者のための内省習慣

外側だけではなく、内側のコミュニケーションにも目を向ける

医療や介護の現場では、日々の業務の中で患者さんや利用者さん、同僚、上司、部下とのやり取りが絶え間なく続きます。
私たちは「どのように伝えれば相手にわかりやすいか?」「どうすれば信頼関係を築けるか?」といった 外側のコミュニケーション に意識を向けることが多いでしょう。

もちろん、対人支援職として 適切な言葉を選び、相手の気持ちを汲みながら伝える ことは非常に重要です。しかし、それと同じくらい、いや、それ以上に大切なものが 内側のコミュニケーション です。

内側のコミュニケーションとは、 自分自身との対話 のこと。
「自分は今、どんな気持ちで仕事をしているのか?」
「本当に大切にしたい価値観は何か?」
「この仕事を通じて、自分はどんな自分でありたいのか?」

こうした問いを自分に投げかけることが、 医療介護の現場で長く働き続けるための大きな支え になります。

しかし現実はどうでしょうか?

日々の忙しさに追われ、目の前の業務をこなすのに精一杯になり、 自分の気持ちに目を向ける時間がない という方も多いのではないでしょうか。
実際、医療介護従事者の多くが、外側のコミュニケーションを意識する一方で、 自分の内側と向き合う時間が圧倒的に少ない のです。

これは、長くこの仕事を続ける上で、大きなリスクになりかねません。

では、なぜ 内側のコミュニケーションが重要 なのでしょうか?
それは、 自分自身の土台を整えることが、結果として良い対人関係を築くことにつながる からです。

人は1日6万回以上、自分と対話している

ある研究によると、人は1日に 6万回以上の思考 をしていると言われています。(参照記事はこちら
つまり、言葉に出さなくても、私たちは 頭の中で常に自分と会話している のです。

この内側のコミュニケーションがポジティブであれば、前向きに仕事に取り組めます。
逆に、ネガティブな対話が続けば、ストレスが蓄積し、燃え尽きのリスクが高まります。

たとえば、こんな内側のコミュニケーションが続いていないでしょうか?

  • 「今日も忙しくて、自分の時間なんて取れない…」
  • 「またミスをした…自分はダメな人間だ」
  • 「どうしてあの人は、もっと協力してくれないんだろう…」

こうした 否定的な内側のコミュニケーション が続くと、自分自身に対して厳しくなりすぎたり、周囲との関係にも悪影響を及ぼしたりする可能性があります。

逆に、こんな内側のコミュニケーションはどうでしょう?

  • 「今日は大変だったけど、自分なりによく頑張った!」
  • 「うまくいかないこともあるけれど、成長のチャンスだ」
  • 「あの人も大変なんだろうな。少し違う視点で関わってみよう」

このように、 自分との対話の質を高めることで、日々のストレスを軽減し、より良い人間関係を築くことができる のです。

内側のコミュニケーションを整える3つの具体的な方法

では、実際に 内側のコミュニケーションを改善するための具体的な方法 をご紹介します。

① ジャーナリング(書くこと)

ジャーナリングとは、 自分の考えや気持ちを書き出すことで、思考を整理する方法 です。
おすすめの書き方としては、次のような問いを使うと良いでしょう。

  • 「今日はどんなことがあった?」(事実を振り返る)
  • 「それに対して、自分はどんな気持ちだった?」(感情を確認する)
  • 「自分にとって、何が大切だった?」(価値観を明確にする)
  • 「明日はどんな自分でいたい?」(未来を意識する)

書き出すことで、 心の中が整理され、感情に振り回されにくくなる というメリットがあります。

② 週に一度の「振り返りタイム」

忙しい日々の中でも、 週に一度は振り返りの時間を確保する ことをおすすめします。

  • 「この1週間、どんなことにエネルギーを使った?」
  • 「本当に大切にしたかったことは何だった?」
  • 「今後、より良くするためにできることは?」

この振り返りを通して、 自分の働き方や人との関わり方を、少しずつ理想の形に近づけることができます。

③ 「自分を労う」習慣をつくる

医療介護従事者は、「もっと頑張らなければ」と思うことが多い職種です。
だからこそ、意識的に 「自分を労う時間」を作る ことが大切です。

  • 「今日の自分、よくやった!」と声に出してみる
  • お気に入りのコーヒーやお茶をゆっくり味わう
  • 仕事終わりに5分間、深呼吸してリラックスする

こうした小さな習慣が、 自分を大切にする第一歩 になります。

「自分との対話」を大切にすることが、良いケアにつながる

仕事を続ける上で大切なのは、 「誰かのために頑張ること」ではなく、「自分自身が満たされた状態で、相手に向き合うこと」 です。
そのために、 定期的に振り返りの時間を持ち、自分の気持ちや価値観を整理することを習慣にしてみてください。

「内側のコミュニケーションを整えることが、外側のコミュニケーションを豊かにする」
そのことを意識しながら、 自分との対話の時間を大切にしていきましょう。

Be a Smileの研修の特徴

医療介護現場では、スタッフ間や利用者とのコミュニケーションが円滑であることが、現場の質を高める重要なカギとなります。
「Be a Smile」では、豊富な実績と専門知識をもとに、スタッフ同士の連携を深め、利用者の満足度を向上させるコミュニケーション研修を提供しています。

こんな悩みはありませんか?

  • スタッフ間の意思疎通がうまくいかない
  • 利用者との信頼関係が築けず、ケアの質に影響が出ている
  • チームワークを強化したいが、どうアプローチすべきかわからない

これらの課題を解決するために、「Be a Smile」の研修が役立ちます。


研修の特徴

  1. 実践的なスキル習得
     講義だけでなく、ワークショップ形式で体験しながら学べる内容です。スタッフが日々の現場で即活用できる具体的なスキルを提供します。
  2. カスタマイズ可能なプログラム
     施設の課題やスタッフの特性に合わせて研修内容を調整。貴施設のニーズに応じたオーダーメイドの研修をご提案します。
  3. 専門的なコーチングアプローチ
     ICF認定プロフェッショナルコーチが、最新のコーチングスキルを活用し、個々のスタッフの成長をサポートします。

研修内容の一例

チームワークを強化する方法
スタッフ同士の信頼関係を築くコミュニケーション法を具体的に学びます。

コミュニケーションの基本原則
自分も相手も大切にするコミュニケーションのポイントを学びます。

アクティブリスニング(積極的傾聴)の練習
相手の話を深く理解し、的確に応答するスキルを習得します。

お問合せ先

「コミュニケーションスキル研修で、現場の質を高めませんか?」
研修の詳細やお見積もりは、以下のフォームよりお気軽にお問い合わせください。
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「Be a Smile」は、スタッフと利用者の幸せを繋ぐコミュニケーションの輪を広げます。

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山田真伸

執筆者:山田 真伸

Be a Smile代表

研修講師
理学療法士
国際コーチング連盟プロフェッショナル認定コーチ
一般社団法人コーチングプラットフォーム認定コーチ
Gallup認定ストレングスコーチ

20年で12,000人のリハビリを担当する現役の理学療法士でありながら、病院・介護施設向けの企業研修110件以上、860時間以上の個別セッションの経験を持つコーチ。

  • 病院(リハ科)、介護(訪問看護、訪問リハ、通所リハ)事業所向け
    カスタムメイド式の企業研修
  • リハビリテーション専門職(理学療法士・作業療法士・言語聴覚士)
    リーダー向けコーチングセッション

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