理学療法士・作業療法士・言語聴覚士のリーダーに求められる「ビジョンを重ねる力」

リハビリテーション専門職として現場を支えながら、チームのリーダーとしても役割を担っている皆さん。

こんなふうに感じたことはありませんか?

  • 「ビジョンが形骸化していて、よくわからない…」
  • 「そもそも、自分の仕事は何のためにあるのか?」
  • 「スタッフのモチベーションが続かない…」

そんなときこそ、あらためて立ち返りたいのが“ビジョン”という視点です。


ビジョンは、“現場の軸”になる

ビジョンとは、組織が目指す理想の未来を言語化したもの。
医療や介護の現場でも、「どこを目指すのか」が明確であれば、現場はブレずに進んでいけます。

一方で、ビジョンがあいまいだったり、個人とつながっていなかったりすると、スタッフの意欲や主体性は次第に低下していきます。
そしてそれは、知らず知らずのうちにエンゲージメントの低下離職のリスク

だからこそ、リーダーである私たちが、ビジョンと日々の仕事をつなげて語れる存在であることが、大切になってきます。


ビジョンの“交差点”を探すという関わり方

私がかつて訪問看護ステーションで管理職をしていたとき。
スタッフとの1on1の中で、意識していたことがありました。

それは、会社や事業所のビジョンを伝えるだけでなく、スタッフ自身の「パーソナルビジョン」を一緒に言語化していくこと。

つまり、「この人は、なぜこの仕事を選んだのか?」「どんな未来を思い描いているのか?」という“その人らしさ”を確認し、
組織のビジョンと個人の想いが交差するポイントを見つけていく作業です。

この“交差点”が見えてくると、不思議とスタッフの表情が変わっていきます。
「この職場で働く意味がある」「自分の想いとつながっている」と感じられることで、主体性と前向きさが自然に引き出されるのです。


多様な中でも“一致点”を見出せるリーダーであるために

現場には、いろいろな価値観や背景を持ったスタッフがいます。
すべての人とビジョンがぴったり重なることは、正直難しい。

でも、私たちリーダーができるのは、「どこかに重なる部分がある」と信じて探す姿勢を持ち続けること。

そのためには、

  • パーソナルビジョンを聴くこと
  • 対話の中で“気づき”を引き出すこと
  • 組織のビジョンを“語るだけ”ではなく、意味づけて伝えること

こうした小さな積み重ねが、現場の信頼をつくり、チームの力を育てていきます。


あなたは、ビジョンをどう重ねていますか?

自分自身のビジョンと、職場のビジョン。
皆さんは、どのように重ね合わせながら、日々のリーダーシップを発揮していますか?

「ビジョンを押しつける」のではなく、「ビジョンの一致点を探す」こと。

そんな姿勢を持つリハ職のリーダーが、これからの現場に必要だと私は信じています。


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山田真伸

執筆者:山田 真伸

Be a Smile代表

研修講師
理学療法士
国際コーチング連盟プロフェッショナル認定コーチ
一般社団法人コーチングプラットフォーム認定コーチ
Gallup認定ストレングスコーチ

20年で12,000人のリハビリを担当する現役の理学療法士でありながら、病院・介護施設向けの企業研修130件以上、910時間以上の個別セッションの経験を持つコーチ。

  • 病院(リハ科)、介護(訪問看護、訪問リハ、通所リハ)事業所向け
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