理学療法士・作業療法士・言語聴覚士として現場に立つ私たちにとって、
「人は一人ひとり違う存在であり、多様性がある」という前提は欠かせません。
年齢、性格、価値観、経験、そしてその日の体調や気分まで、人は実に多様です。
同じ言葉をかけても、相手によって伝わり方がまったく異なることも珍しくありません。
コーチングの三原則のひとつにある 個別対応(多様性) という考え方。
その人が持つ個性や特性を尊重し、
その人に合わせた“オーダーメイドな対話”ができるかどうかが、
リーダーとしての大きなカギになります。
なぜなら、私たちの言葉や態度は、相手の心に想像以上に大きな影響を与えるからです。
一人ひとりに合わせた関わりが生むもの
例えば、忙しさの中でスタッフが疲れた表情をしているとき、
「大丈夫?」という言葉が励ましになることもあれば、
逆にプレッシャーに感じさせてしまうこともあります。
また、新人スタッフには手取り足取り具体的に伝えるほうが安心する場合もあれば、
自分のやり方を尊重してほしいと感じる人もいます。
「自分が言われたら嬉しい言葉」
「逆に、自分が言われたら嫌だなと感じる言葉」
人それぞれ違います。
私たちは日々、無意識にこうしたことを意識しながら
対話を繰り返しています。
その根底にあるのは、
「人は一人ひとり違う」という多様性へのマインド。
このマインドがあるからこそ、
相手を尊重し、一人ひとりに合った関わりが可能になります。
そして、その関わりが相手に「この人は自分をわかってくれる」という安心感を生み、
職場全体の信頼関係の構築へとつながっていきます。
マインドを忘れてしまうとき
しかし、忙しさや余裕のなさから、
このマインドが薄れてしまうことがあります。
そんなとき、人はつい
- 自分が優位に立ちたくなる
- 相手を評価してしまう
- ジャッジしたり、マウンティングしてしまう
「なんでこんな簡単なことができないんだろう」
「前にも同じことを言ったはずなのに」
そんなふうに思う瞬間が、きっと誰にでもあるはずです。
でも、その一言や態度が、相手の心を閉ざしてしまうことがあります。
こうした関わりを繰り返せば、
関係性は築きにくくなり、
ときに壊れてしまうことすらあります。
だからこそ、
「一人ひとりに合わせたオーダーメイドな対話」 が重要なのです。
日常の中で、相手への関心を持ち続ける
そのために必要なのは、日頃から
- 相手に興味・関心を持つこと
- 相手を尊重するマインドを持ち続けること
相手が今、どんな状況で、どんな思いを抱えているのか。
小さな表情の変化や声のトーンにも敏感になることで、
対話の質はぐっと上がります。
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士のリーダーとして、
こうした個別対応の力が高まれば、
スタッフとの関係性はどう変わるでしょうか。
きっと、職場はより風通しが良くなり、
互いに安心して話し合えるチームへと成長していくはずです。
それは結果として、利用者や患者さんへの支援の質にもつながります。
一人ひとりに合わせた「オーダーメイドな対話」。
それは特別なことではなく、日々の小さなコミュニケーションの積み重ねです。
あなたは、どんな「オーダーメイドな対話」を実践していますか?
「こんな時、どんな言葉をかければ良いか迷った」
「こんな声かけでスタッフが変わった」
そんな経験があれば、ぜひ教えてください。
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